著者のコラム一覧
上昌広医療ガバナンス研究所 理事長

1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。

東京五輪感染爆発の危機「抗原検査」では陽性者を見落とす

公開日: 更新日:

 東京五輪が緊急事態宣言下で開催される公算が大きくなった。人類史上初の経験だ。政府は感染対策に万全を期すと言い、首都圏では無観客開催が決定したが、こんなことでは大流行は避けられない。それは、感染症対策の基本を踏み外しているからだ。

 都内で1回でもワクチンを接種したのは17・8%(7月5日現在)。沖縄県に次いで低く、ワクチンには期待できない。 現時点でのコロナ対策の中核は検査・隔離だ。政府は、空港などの水際対策や選手村などでの検査を徹底すると繰り返しているが、額面通りには受け取れない。それは、日本で利用される検査が、世界標準のPCR検査ではなく、抗原検査だからだ。

 今年1月、米疾病対策センター(CDC)は、発熱などの症状がある人の場合、抗原検査はPCR検査陽性者の80%で陽性となるが、無症状感染者の場合には59%を見落としたと報告しているし、6月には、米プロフットボールリーグ(NFL)に所属する医師たちが、昨年8~11月に実施した約63万回の検査結果をまとめ、抗原検査は42%の陽性者を見落としていたと「米内科学会誌」に発表している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」