エンゼルス大谷「満票MVP」は開拓者精神への評価 二刀流の捉え方は日米で大違い
「米国は開拓者が切り開いて成立した国家で、平等に機会が与えられ、努力や才能次第で誰にでも成功を手にするチャンスがある。ゴールドラッシュに沸いた1800年代が象徴するように、リスクを冒してまで成功を求める姿勢が評価される土壌があります。スポーツ界も同様に、新しいことへの挑戦には好意的で、失敗しても寛容なところがある。01年に振り子打法で安打を量産し、機動力を武器にした新鮮味が評価されたイチロー同様、今回の大谷は一度はケガでつまずきながらも二刀流を貫いた姿勢、結果を出した点が米国記者の支持を集めたのでしょう」
■日ハム時代は「大谷のおかげでローテが崩れる」と批判が
大谷は会見で「ここまで(二刀流が)100%歓迎されているという雰囲気はプロに入ってからもずっとなかった。常に批判的なことっていうのはありました」と明かした通り、日米で二刀流への捉え方は大違いだ。
かつて野茂英雄(ドジャースなど)が海を渡ったときも「日本人がメジャーで通用するはずがない」という意見が大半だった。近鉄首脳陣との確執もあって任意引退扱いでメジャー挑戦したことには「わがままのゴリ押し」「裏切り者」などの批判の声が上がった。大谷にしても、日本ハム入団時は二刀流に懐疑的どころか、「どちらか一方に専念するべき」と反対意見が少なくなかった。二刀流によるフィジカルの負担から登板間隔が一定でないため、「大谷のおかげでローテが崩れる」と批判の声が上がったほど。まさに島国根性丸出し。今では廃止されたが、NPBを経ずに米球界入りした選手の日本復帰に制限を設けた「田沢ルール」が閉鎖的な日本球界を象徴している。