ロシア選手もウクライナ侵攻の“犠牲者”…2026年冬季五輪までに「中国帰化」が続出か?
中国は今回の五輪で過去最多となる15個(全体11位)のメダルを獲得したものの、多くはショートトラック(4)とフリースタイルスキー(6)。メダルが狙える競技は偏っている。
一方のROCは10競技で同2位の32個(金6、銀12、銅14)だった。
■国籍変更をいとわない
「中国に帰化するロシア選手が多数出てくるのではないか」というのは、国際ジャーナリストの太刀川正樹氏だ。
「選手たちは国際大会で活躍してこそ報奨金やスポンサーからのボーナスなど、多額の収入を得られる。母国で競技を続けるスケートボードやスノーボードの若い選手は大技に失敗しても、他国の選手たちが称える姿が印象的でした。多くの若者は国を背負っている意識が希薄です。ある程度の年齢に達した者でも、競技を続けられるなら国籍を変えることはいとわないでしょう」
太刀川氏は続ける。
「中国は今後も冬季競技を強化したい。ロシア選手の受け入れは多種目の強化や競技人口の増加につながる。今回のロシア勢除外は軍事侵攻が理由なので、IOCが国籍を変更したロシア選手の五輪出場を認めるかはわかりませんが、中国は五輪メダルに多額の金を出す。考えている選手はいるでしょう」
五輪憲章(規則41-2)によると、国籍変更した選手が他国の代表として五輪に出場するためには、元の国の代表になった最後の国際大会から3年が経過しなければならないとある。26年五輪なら間に合うのだが……。