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阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

宮崎空港の一室で長嶋監督に挨拶「よく来てくれたね」と握手を求められ

公開日: 更新日:

 1994年11月7日、近鉄と巨人から私と香田勲男の交換トレードが発表された。

「決まったからには、チームに早くなじむためにも(巨人が秋季練習を行っている)宮崎に来ませんか?」と巨人の球団関係者に誘われ、正式発表から5日後の12日に宮崎に入ることになった。

 当日の夕方、宮崎空港に到着するなり、球団関係者に、

「ちょっと待っていてください。長嶋監督、いまからみえますから」

 と、一般客が入れない別室のようなところに連れていかれた。

 広さ10メートル四方くらいだろうか。椅子が置かれているだけで、他には何もないガランとした空間だった。黒っぽい部屋だったイメージがある。私が部屋に入るのと長嶋監督が来るのは、ほぼ同じタイミングだった。監督はそこでユニホームから背広に着替えていた。

「ようこそ、巨人軍へ。よく来てくれたね」

 握手を求められ、「よろしく、お願いします」と挨拶。

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