大谷翔平WBC出場へさらに前進! エ軍「トラウトが米国代表主将」と早くも発表のウラ側
2009年2月、第2回WBCに向けた調整や合宿が行われたときの話だ。
日本のエースはレッドソックスの松坂大輔。前年にチーム最多の18勝をマークしてプレーオフ進出に貢献した右腕に対して、レッドソックスは国際担当顧問兼巡回コーチのデニー友利氏を監視役にして球数を投げ過ぎないよう厳しくチェックした。
「開幕前の重要な時期に肩肘に負荷をかけるなんてとんでもないというのがレッドソックスのスタンスだった。古巣・西武のキャンプに参加、その後、日本チームの合宿に合流する松坂の球数を細かくチェック。初実戦の球数は45~50球、ブルペンでも一定の球数に達すると友利さんが両手でバツ印をつくってストップをかけた。米国に行ってからは登板間隔が短過ぎるという理由で練習試合での登板をキャンセルさせたくらい」(放送関係者)
選手のWBCへの出場に神経をとがらせているのは、レッドソックスに限らない。大金を払っている主力が開幕前にケガでもしようものなら大打撃。中でも投手の出場に関してはナーバスになっていて、暗にブレーキを踏むケースも多々あるという。
「水面下では主力を出したいMLB(大リーグ機構)と、主力の出場にストップをかけたい球団の綱引きが毎回のように行われている。主催はMLBだけに、球団側も表立って選手の派遣にノーと言うことはできない。なので故障や違和感など、さまざまな理由をつけては主力の出場にマッタをかけている。特に主力投手に関してはどの球団も派遣に二の足を踏んでいる。中には球団が選手にかけている保険の縛りがあるためにWBCに参加できないケースもある」(同)
WBCは各国から得られたスポンサー料、放映権料などの収益を大会運営会社が一括管理、そこから各国へ分配されている。第1回大会は収益の47%が賞金、53%が各組織に分配され、内訳は大リーグ機構と大リーグ選手会が35%、日本野球機構は7%に過ぎなかった。
日本は1、2回大会を連覇したものの、メジャーは「寺銭をタンマリといただく代わりに、名誉はくれてやる」という立場だった。