東京五輪汚職に不思議な共通点…高橋、青木、角川とも“兄弟に逮捕歴”が目立つナゼ
角川歴彦KADOKAWA会長(79)の逮捕で、五輪汚職の構図がハッキリ見えてきた。
高橋治之・元電通専務は、スポンサーは1業種1社という大前提を崩し、スポンサーをかき集めた。角川会長には、料金をダンピングする代わりに裏金約6900万円を要求。元電通の後輩である深見和政の「コモンズ2」に振り込ませた。深見は民間人だから収賄罪は適用されない。そのためカネを“迂回”させたのであろう。そうして集めたスポンサーからの表のカネは、五輪史上最高額の3761億円になった。
とすれば、裏金も史上最高額になったのは間違いない。出版社を決める際、スポンサーに意欲を示していた講談社を、森喜朗組織委会長(当時)の意向で切り捨てたといわれる。高橋は森の操り人形であったことが見て取れる。いまのところ、森に渡ったとされる現金は、AOKIからの見舞金200万円だけのようだ。しかし、この構図からも分かるように、高橋側が受け取った裏金のいくばくかは森に流れていると考えるのが“自然”ではないのか。
誰でも分かることをあえて書いたのは、この構図の中心にいる森喜朗に、東京地検特捜部が迫ってほしいと思うからである。森は“巨悪”ではない。“小心で狡猾(こうかつ)”な人間だから、逃げることを恥だとは思っていない。それが彼の強みである。