大相撲初場所Vでも貴景勝の来場所綱とりに慎重論…「大関2人以上」維持へ協会が“禁じ手”も
十両優勝の朝乃山の復帰を待つしかないのか
今場所で正代の大関最短復帰が消滅し、1横綱1大関体制の大相撲。番付を作るにあたって、大関以上に最低2人必要で、ギリギリのラインであることは間違いない。
かといって、今の三役を見渡しても「大関昇進間違いなし」と言える力士がいないのも事実だ。
大関昇進の目安は「三役で3場所33勝以上」。つまり3場所続けての安定感が求められる。ただでさえ、今の三役は実力が拮抗しているだけに、他を蹴散らして独り勝ちするのは至難の業だ。
現状では若隆景、豊昇龍、霧馬山あたりが候補とはいえ、2ケタ勝ったと思えば翌場所1ケタだったりと苦戦が続いている。「今場所、十両優勝した朝乃山の復帰を待つしかない」なんて声すら聞こえるように、このままだと、今後しばらくは大関が誕生しない可能性もある。前出の親方が言う。
「こればかりは断定できないけど、仮に大関以上の力士が1人だけとなったら、相撲協会も“禁じ手”を使うかもしれない。その時にもっとも成績のいい関脇を強引に昇進させるのです。ただ、『大関以上が2人必要』というのは、あくまでも番付作成上の慣例、慣習であって、決まりではない。強引に関脇を昇進させたら世間の猛反発は必至。それを考慮して、史上初の大関以上1人という番付になるのか、それとも伝統を重んじるのか……」
仮に貴景勝が大関から転落するとしても最短で2場所先の話だから、少なくとも5月場所までは「大関以上が2人」を維持できるが……。