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太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

【The writings on the wall.】大谷報道で現地記者が「不吉な予兆」と表現したエンゼルスの状況

公開日: 更新日:

 直訳すると、「壁に書かれた文字」。これは旧約聖書(ダニエル書、第5章)の故事に由来する言葉で、「不吉な予兆」を意味する。

 古代の傲慢なバビロンの王が宴を開いているさなか、巨大な男の手が現れて宮殿の壁に王に対する警告文を書いた。恐れおののいた王は、やがて死に、王国も滅亡したという話で、「良くないことが起きる」という状況を表現する。

 大谷報道でこれを引用したのは、米「Sporting News」のライアン・ファガン記者。昨年10月18日の帰国会見で、大谷が2022年シーズンを振り返り、こうコメントしたのがキッカケだ。

「14連敗も含めてなかなか思うようなゲームが多くできていたわけではないので、あまり良くない方向での印象の方が強いかなと思います」

 日本語でそう答えた大谷の言葉を、一部米メディアが「I have ara ther negative impression of this season(むしろ今季はネガティブな印象の方が大きい)」と英訳して報道。これが切り取られる形で、「大谷がチーム批判」とSNSなどで独り歩きした。フェイガン記者はこう書いている。

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