PGAツアーは予選カットなし LIVゴルフに対抗して墓穴を掘らないか

公開日: 更新日:

 さらに、ワールドゴルフランキングの問題でも、予選落ちがないPGAツアーの新規大会にポイントを与えることになれば、LIVゴルフにポイントを与えない理由がなくなる。そうなればLIVゴルフでプレーするリスクもなくなり、移籍へのハードルが低くなる。

 PGAツアーの新構想に理事のローリー・マキロイは「今回の変更を大歓迎している。予選カットがない試合はこれまでにもあった。WGCやプレーオフ、それにZOZOもカットがなく、問題はない」と擁護する。

 出場権が約束されているトッププロは、こぞって賛同の意を表しているが、中堅以下のプロからは不満が続出している。

 先のパーマー招待は今年の格上げ試合のひとつで、優勝したカート・キタヤマは優勝賞金360万ドル(約4.8億円)を獲得し、最下位(72位)の賞金は4万600ドル(約540万円)。来年から始まる予選落ちのない大会も、ほぼ同じような賞金になる。

 予選カットがなければ当然死に物狂いのドラマは少なくなり、試合の迫力も低下する。それでは大会スポンサーの満足も得られず、ツアー運営にも暗い影を落とす。高額賞金はテレビ放映権料から支払うにしても、格落ちした通常大会では視聴率も取れず、広告効果も期待できなくなる。となればスポンサー離れも進む可能性がある。

 改革を続けるPGAツアーは本当に大丈夫なのだろうか?

(ゴルフライター・吉川英三郎)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ