エ軍は急失速も大谷翔平「三冠王」に現実味 今季は“置かれた状況”が昨季までとはガラリ

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 前半戦最後となる日本時間9日のドジャース戦で、メジャートップの32号を含む4打数3安打3打点と気を吐いた大谷翔平(29=エンゼルス)。

 ここまでは打者として打率.302(リーグ6位)、32本塁打(メジャートップ)、71打点(同3位)。投手としては7勝(4敗)、防御率3.32、132奪三振(リーグ3位)。投打ともトップクラスの成績を残した一方で、チームは坂道を転がり落ちるかのように失速している。

 9日のドジャース戦に敗れて5連敗、ついに借金生活に突入した。西地区首位のレンジャーズから7ゲーム差4位での折り返し。後半戦は同地区2位で昨季のワールドシリーズ覇者のアストロズ3連戦からスタートし、次は東地区3位で7年連続プレーオフ進出を目指すヤンキースと3連戦だ。チームにとって、さらに厳しい戦いが待ち受けている。

 大谷は本塁打王を争った2021年、シーズン終盤の8月から9月にかけて失速、タイトルを逃した。その年の本拠地最終戦後には早々とプレーオフ争いから脱落したチーム状況に業を煮やし、「ヒリヒリする9月を過ごしたい」とぶちまけた。

 やはり夏場にはプレーオフが絶望的になった昨季の総括会見では「8、9月に関しては目指すところが見えなくなってくる難しさはありました。特に9月は難しかった」と話した。右肩下がりのチーム状況が再びパフォーマンスに影響しないとも限らないが、今年は置かれた状況が昨年までとは異なるという指摘がある。

FA権取得で主導権

「昨年まではどんなに嘆いても、結局は勝てないエンゼルスでプレーする以外、大谷に選択肢はなかった。けれども、FAを取得する今年は違う。勝てないエンゼルスに愛想を尽かしたなら、オフに他球団に移籍する権利がある。この差はデカいですよ」と、特派員のひとりがこう続ける。

「移籍するにせよ、残留するにせよ、去就に関する主導権を握っているだけに、大谷はなにより自身の価値をいま以上に高めたいのではないか。すでにMVPは獲得していますが、打撃部門や投手部門の主要なタイトルはまだない。投手としても野手としても一流で、オンリーワンの存在ではあるものの、ナンバーワンではないのです。

 大谷がオフにメジャー最大の契約を勝ち取るのは確実視されているだけに、移籍するなら、ひとつでもふたつでもタイトルを手にして自身の価値を証明したい。残留するにしても、タイトルを取ればいま以上にエンゼルスで強い発言力をもつようになる。例えば、エース級2人以上の獲得を残留の条件にすることだって可能です。エンゼルスのプレーオフ進出が絶望的になったとしても、今年は去就の主導権を握るからこそ結果が求められるのです」

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