「大谷残留」を軸に買い手に回ったエ軍 積極補強が“まさかの”アダになる可能性
2人のサイ・ヤング賞右腕が移籍した裏側
他球団がエンゼルスの決断を見守る中、大谷の残留を決めたエ軍はホワイトソックスからルーカス・ジオリト(29)、レイナルド・ロペス(29)の両右腕の他、ロッキーズからC・J・クロン内野手(33)、ランドール・グリチェク外野手(31)の強打者2人を相次いで補強した。複数の米メディアによれば、エ軍が獲得したジオリト、ロペスの両右腕を巡ってはレンジャーズ、アストロズも獲得に動いていたという。
多くの米メディアが売り手に回ると予想していたエ軍が一転して買い手に。早々とホワイトソックスの両右腕とのトレードで合意したため、レ軍もア軍もトレード戦略を転換、それぞれサイ・ヤング賞右腕に触手を伸ばした。ライバルの2球団はエ軍の積極的な姿勢に触発されたこともあり、負けじとトレード市場に参入したというのだ。
エ軍は今夏のトレードで投手力の上積みに成功。8月中には、故障で離脱している主砲トラウト、正捕手オホッピーら主力野手が戦列に復帰する見込み。大谷が残留することになったエ軍打線にトラウトらが戻れば現状、リーグでも最低レベルの得点力の解消は図れる。
2日現在、首位レンジャーズと5.5ゲーム差、アストロズとは5ゲーム差で、マリナーズとともにア・リーグ西地区3位タイ。地区優勝以外の最高勝率3チームが出場するワイルドカード争いでは圏内のブルージェイズと3ゲーム差につけている。ゲーム差だけを見れば、地区優勝、PS進出の可能性は十分に残している。それだけにエ軍の補強は、同地区のライバル球団に火をつけ、結果としてエ軍以上の大物獲得につながった。
珍しく「買い手」に回ったエンゼルスの積極的な姿勢は、自分たちのクビを絞めることになりかねない。