ラグビーW杯「日本が準々決勝へ行く方法」10.8アルゼンチン戦直前、専門家2氏が大激論!
ブームを生かせなかった2015年W杯後の教訓
──日本のラグビー界はどこへ向かう?
永田 フィーバーになった15年のW杯後、トップリーグの人気につなげられず、競技場は空席が目立った。五郎丸歩がフランスのチームに移籍したとか理由はあるにせよ、協会の運営の不手際です。
中山 19年の自国開催のW杯で再びブームがきました。トップリーグにもたくさんお客さんが入って、やっと盛り上がると思ったら、今度はコロナでリーグが打ち切りになりました。
永田 今回はどうやって大きなムーブメントにしていくのか。今は「W杯ラグビーは楽しかったけど、終わったら次はサッカーを見に行こう」というファンが多い。三度目の正直で協会の手腕が問われる。
中山 いかに日常的に国際試合ができるか。日本はサンウルブズで参戦していたスーパーラグビーに踏みとどまれなかったが、フィジアン・ドゥルアというチームを派遣しているフィジーは、今大会旋風を起こしています。
永田 いくらオールブラックスやイングランド代表が来日するようになったといっても、テストマッチはせいぜい年間4、5試合。いかに代表戦を見に来たファンをつなぎ留められるかが大事。
中山 松島が世界最高峰のフランスリーグに挑戦しましたが、帰国した今となっては、日本代表クラスで海外に挑戦している選手はいない。今の日本代表は半数近くが外国人。多国籍のチームをつくるなら、本来は日本代表に近いメンバーで海外を転戦しながら、相互理解を深めるのが理想です。
永田 テストマッチではなくて、いかに海外の強豪チームとの真剣勝負の中に選手を放り込めるか。
中山 日本がアルゼンチンに敗れ、1次リーグ敗退に終わるようなら、今大会で躍進したフィジーと比較され、議論が起こるでしょう。
(構成=増田和史/日刊ゲンダイ)