東京五輪汚職裁判傍聴記(上)東京五輪汚職初公判 フィクサー高橋治之被告が見せた79歳らしからぬ戦闘モード
■検察さえ「第一人者」
検察側さえ「スポーツマーケティングの第一人者」というまくらことばを何回も使った。その冒頭陳述が延々と続く。被告は時折、弁護士と短い会話を交わし、ペットボトルの水を口にする。居眠りする傍聴人、席を立つ者さえいる。法廷内から開廷時の緊迫感が消えていった。
検察側は約3時間におよぶ冒陳を終えると、数カ所の訂正を申し出る。弁護団は別の部分に「主語が不明」の表現があると指摘、敵失に乗じて先制パンチを放つ。高橋被告側の戦闘モードばかりが目立つ初公判だった。
今後の法廷で虚像は暴かれていくのだろうか。 =つづく