スマホは空港で没収、個人行動は一切禁止…2泊3日でひしひしと感じた「停戦中」の緊張感
■ガイドに「「今日の試合はどっちが勝つ?」と質問すると…
観客席を見て仕組みが分かりました。スタンドの各エリアの最前列に白い服を着た人物が、指揮を執っていたのです。
その指揮者が上手にリズムを合わせるので、ディレイは生じず、同じタイミングで声援が響き渡りました。その手練れぶりには敵ながらアッパレという感じ。今回も、森保ジャパンには大きな脅威となるでしょう。
平壌に2泊3日しましたが、個人行動は一切認められず、常に「15人」が団体行動でした。
市井の人との触れ合いもなし。そんな中、ガイド以外と会話を交わすことができたのは、試合当日に平壌市内の「主体思想塔」(高さ170メートル)に上った時だけでした。
係の女性からひと通り説明を受けた後、「何か質問はありますか?」と聞かれました。妙な沈黙に耐え切れなくなって手を挙げ、「今日の試合はどっちが勝つと思いますか?」と尋ねました。女性はすぐに答えてくれましたが、ガイドは一瞬、沈黙してから「やってみないと分からないと思います」と訳してくれました。でも報道陣の中に朝鮮語が分かる人がいて「彼女は『ここは共和国だから共和国が勝つ。あなたたちは泣きながら帰国するといいわ』と言ってた」と教えてくれました。ガイドの気遣いだったのでしょう。