フィギュア宇野昌磨 電撃引退の裏に新星マリニンとの実力差…また稼ぎ頭失った連盟は先行き不安
「宇野は、技術・精度の高いマリニンがシニアデビュー(22-23年シーズン)して以来、故障で満足な演技を披露できないこともあり、マリニンとの実力差を思い知らされたのです。4位に終わった今年3月の世界選手権後、マリニンとの再戦について聞かれると、『無理ですよ。僕はもう最善を尽くしました』と話し、引退をほのめかしたこともあった。若手の突き上げを食らってリンクを去る決断をしたのでしょう」
宇野の引退に頭を抱えているのが日本スケート連盟だろう。宇野は浅田真央、羽生結弦が競技を退いてから、坂本花織とともに日本のフィギュアスケート界を牽引。所属するトヨタ自動車をはじめ、健康器具メーカーやスポーツ用品など、複数の企業とスポンサー契約を交わすなど、ビジネスでも連盟を支えてきた。
連盟は「賞金等の取り扱い規定」により、選手のスポンサー収入、専属契約料などの10%を肖像権使用の承認料として受け取っている。
羽生ほどではないにしろ、宇野が競技を離れることによる損失は決して少なくない。
連盟の収入は先細りしており、昨年9月に公開した「令和4年度事業報告並びに決算書類」(22年7月1日~23年6月30日)によれば、22年の全日本選手権の収入は約1億9000万円。羽生が出場した21年大会の約7億6000万円から5億円以上も減収し、23年度の収支は1400万円減だった。