「10番の血を引く絶滅危惧種」「ルマンの太陽」...移籍先フランスで日本人選手を見る目を大きく変えた
「実は、もうひとつのクラブからもオファーがあったのですが、ルマンはパリにTGVで1時間で移動できる。大都市に近い方が何かと安心できると思いました。最初は言葉を話せないので通訳してくれる人にも来てもらわないといけないし、食事や食材入手の面も便利でしたね。当時のルマンは1部から降格したばかり。1年での1部復帰を目指していた。それも士気を高める材料になりました。半年レンタルで買い取りオプション付きの契約だったんで、結果を出すことだけに集中できた。それも大きかった」
最初の指揮官・ジャンデュピュー監督は「10番の血を引く絶滅危惧種」という独特な言い回しで松井を高く評価した。
「4(DF)-4(MF)-2(FW)の左サイドアタッカーで自由にやらせてくれ、最初から試合に出してもらえた。入りとしては幸運でした。ところが、3カ月後にジャンデュピューがGMになってアンツが監督になった。僕自身は戦々恐々としましたが、『好きにやってくれ』と言われて心から安堵しましたね。『ダイはフィジカルの課題を頭でカバーできる選手。今は好不調の波があるが、好調時は想像を絶するほどのハイレベルのプレーを見せてくれる』と褒めてくれたのもメディアを通して知った。僕にとっては本当にありがたい環境でした」