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Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

エッフェル塔の廃材からメダル作製…パリの有名宝飾品店ショーメが手掛けるロマンチック

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 エッフェル塔の鉄骨って、鋳鉄から余分な炭素を取り除いた、すごく純度が高くて強いものなんだって。エッフェル塔の廃材は、塗装を剥がされ、磨かれ、ニスを塗られて第二の人生を歩き出したってわけだ。各メダルに使われるエッフェル塔の重さは18グラム。真ん中にある六角形の鉄片がそれだ。ちなみにこの鉄片はフランスの形を表している。彼らは日頃から自分の国のことを「L'Hexagone(六角形)」って呼ぶからね。鉄片を留める6つの小さな金具は、エッフェル塔を留める250万個のリベットをイメージしてるんだって。

 このメダルのデザインは、パリの有名宝飾品店ショーメが担当した。ショーメとエッフェル塔には縁がある。19世紀末、エッフェル塔の製作者のギュスターブ・エッフェルは末の娘が嫁ぐ時に贈り物をしたんだけど、その時の真珠のネックレスをオーダーしたのがショーメだったって話だ。メダル作製を担当した人たちは、その話を知っていたんだろうね。なかなかにロマンチックだ。

 作られたメダルの数は、五輪用に2600個、パラ用に2400個。「かなり多めに作っているから、何らかの理由でメダリストが失格になり、新たに繰り上げでメダルが必要な時も十分対応できます」って組織委員会は余裕だ。そんなこと、起こらないことを祈るけどね。 (つづく)

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