マルティネスが中日蹴って巨人入りの思惑と波紋…井上新監督が直面する守護神&左腕エースW流出の埋まらない穴

公開日: 更新日:

 最強守護神の争奪戦がついに決着した。

 キューバの地元メディアは日本時間15日、中日を自由契約になったキューバ人守護神のライデル・マルティネス(28)の巨人入りが決まったと報じた。

 2017年に育成選手として中日に入団。在籍8年間で303試合に登板し、166セーブ、防御率1.71。今季は2勝3敗43セーブ、防御率1.09で2年ぶりにセーブ王を獲得した。今季で年俸2億円の3年契約が満了し、中日は球団史上最高の4年総額40億円の大型契約を用意したものの、巨人が年単位でこれを上回る2年24億円を提示していた。某球団のフロント関係者が言う。

「巨人の条件が上回ったのはもちろん、マルティネスはあえて、2年契約にとどめたのかもしれません。日本人扱いとなる国内FA権の取得まで残り2年と15日前後。2年契約を終えるFA権取得前年に、さらなる好条件を手にしたいのでしょう。何しろ、マルティネスのメジャーでの評価はかなり高い。米記者のフランシス・ロメロ氏がX(旧ツイッター)に投稿したところによれば現在、メジャーにおける市場価値は最大6年総額92億円に上るといいます。マルティネスは現時点で亡命する気はないため、以前に米国とキューバとの間で検討された『亡命ナシでのメジャー移籍』が実現すれば、米挑戦も視野に入れているのではないか」

 そんな絶対的守護神を獲得した巨人はこのオフ、FA宣言した大山悠輔阪神)、石川柊太ロッテ)の獲得に失敗。ようやく大魚を釣り上げることができた。今季最下位に沈んだ中日で43セーブを挙げており、リーグ連覇を狙う巨人なら50セーブ到達も夢ではない。

 一方で気の毒なのは中日の井上一樹新監督(53)だろう。キューバの地元メディアによれば、マルティネスは巨人入りを決めた理由に、「日本シリーズに出場して優勝すること」を挙げたという。今季終了直後の帰国時には、涙を浮かべて中日への思いを語っていたものの、万年Bクラスに沈むチーム事情が残留の障壁になった可能性は否めない。球団OBの話。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  4. 4

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  5. 5

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  1. 6

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  4. 9

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  5. 10

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  2. 2

    絶対守護神マルティネス「巨人入り」急浮上の舞台裏…米敏腕記者が「2年24億円で合意間近」と

  3. 3

    フジテレビが2番組を終了させダウンタウン松本人志に「NO」を突き付けたワケ…日テレとは異なる対応

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  5. 5

    米倉涼子「ドクターX」興収30億円でも満島ひかりが阻む"興収女王"の座…期待値の高さから落胆の声も

  1. 6

    立花孝志氏が大阪・泉大津市長選で惨敗…有権者の投票行動を後押しした「お笑いみたいな噂」

  2. 7

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 8

    安倍昭恵氏が石破外交“切り札”に? 米トランプ次期大統領との会談模索に「私人」を担ぎ出す情けなさ

  4. 9

    安倍昭恵さん×トランプ夫妻「夕食会」の舞台裏…永田町で飛び交う臆測と“パイプ役”の名前

  5. 10

    M-1グランプリ審査員は“完璧な布陣”…ますます高まる「松本人志不要論」