桐朋の“二刀流”森井翔太郎 2億3300万円でアスレチック入りの衝撃…直メジャー時代到来で人材流出加速
秀才球児が破格の契約で海を渡る。
桐朋(東京)の森井翔太郎(3年)が契約金150万ドル(約2億3300万円)でアスレチックスとマイナー契約を結ぶという。
偏差値71の進学校で投げては最速153キロ、打っては高校通算45本塁打を誇る右投げ左打ちの強打者。この二刀流高校生を巡り、米9球団が争奪戦を繰り広げ、アスレチックスが制した格好だ。
日米14球団のスカウトが見守った昨夏の西東京大会は、都富士森に2-9で初戦敗退。その後、メジャー挑戦を表明し、昨年9月から12月にかけて大リーグ球団と面談を行ってきた。大谷らが所属するドジャースなど9球団による争奪戦の中で、森井が重視したのが「3年でメジャー昇格」だったという。
ア・リーグ西地区のア軍は昨季、69勝93敗で地区4位と低迷しているが、極力カネを使わず、若い選手を積極的に起用するチーム方針があり、出場機会を早く得られる可能性の高い球団をあえて選んだのだ。
さるメジャー球団のスカウトが「彼のウリは高い身体能力とパワー」とこう続ける。
「打者としては打球を遠くに飛ばすパワーがあって、投手としては球が速いのが魅力。ただ、打者としてインコースに弱く、ボール球になるアウトコースを追いかけるのはマイナス。投手としては直球も変化球もコントロールに問題がある。これは右肘が上がってこないというか、肘の位置が低いことが原因で、遊撃からの送球も思い切って投げられていない。今後イップスになる可能性もある。メジャー球団のほとんどが、投手としては厳しいと見ていて、教え方次第では、打者として化ける可能性があるという評価。強豪校ではないので、伸びしろが大きい選手ではあります」
日本球界に与える影響は大きそうだ。なにしろ、アスレチックスが用意した条件は、日本のドラフト選手の上限である契約金1億円、出来高5000万円を大きく上回る。ネット上でも〈ドラ1競合レベルなら直接メジャーの方が稼げる時代〉〈活躍次第で今後のモデルケースになりそう〉と今後の人材流出を予想する声が相次いだ。