洞口依子 子宮頚がん摘出手術と芸能活動再開
退院後も体調は回復せず、ホルモンバランスが崩れ、一時は20キロ近く体重が増加した。だが、体力を維持するためにダイエットもできない。洞口はがんの手術を伏せたまま5月に活動を再開するが、体の自由がきかず車椅子で収録現場に通うような状態。更年期と同じ症状が出て、情緒も極端に不安定に。失意のどん底に落ち込み、酒びたりとなる。自殺も考えて裸足で道路の真ん中を歩き、対向車に体当たりしようとしたこともあったという。
再起のきっかけとなったのは1カ月間の沖縄療養だった。状況を変えなければと思った洞口は、8月に沖縄の友人宅を訪れる。「楽しく飲もうよ」というリラックスした雰囲気の中、歓迎のビーチパーティーが開かれた。洞口は沖縄の海に浮きながら、太陽の光をたっぷり浴び、体にエネルギーを取り戻していった。
当初、病気のことは一切表に出さないつもりだった。しかし、自分の経験を話すことで、同じ病気で苦しむ人に役立てるかも、と04年秋に闘病生活を公表する。その後、ストレスが重なりパニック障害を発症するなど体調は一進一退だったが、夫や家族、スタッフなどに助けられながら「自分で立ち上がらなくてはいけない」と模索を続けた。