ひょうきんなアナ 山村美智子 番組降板

公開日: 更新日:

 その後、さすがベテランの露木は「ちょっとスタジオでくしゃみをした男がおりまして、スタジオ中が何となくざわめいていまして、その後を続けます」と静かに場を収め、番組を進行させた。

 番組のエンディングでは山村とくしゃみをしたADが2人並んで謝罪したものの、局には視聴者からの「不謹慎だ」という電話が殺到する。

 山村は翌週月曜日の同番組には普段通り出演していたが、翌日の火曜日から前触れなく姿を消した。番組は露木が単独で進行させるスタイルに変わっていた。もっとも、真相は別にあった。16日の月曜日、山村が噴火した三原山(伊豆大島)関連のニュースで「あんな島に住まなければいいと言う人もいますが、生活されている方にとっては大切な故郷ですから」と発言したことだった。この「あんな島に住まなければ」という部分が切り取られて視聴者や局上層部から問題視されたのだという。この後、ニュース番組でアナウンサーとしての山村の姿を見かける機会はなくなった。

 山村は学生時代に「東京キッドブラザース」に在籍し、80年、フジに入社。ひょうきんアナとして持ち前の明るいキャラクターで人気を集めた。85年にはフジを退社し、フリーになる。87年10月に始まった同番組のキャスターとして抜擢された、その矢先の出来事だった。この降板劇以後、山村はもっぱら女優として活動している。01年からは芸名を山村美智と変えてドラマ映画、舞台にと着実に活躍の場を広げている。もともと、女優志望だったという彼女にとってはアナウンサーとしての大失敗も「災い転じて福となす」ということわざを地でいく出来事だったのかもしれない。

◇1987年11月 6日、竹下登内閣が発足する。8日、後楽園球場が閉場。50年の歴史に終わりを告げる。17日、俳優・川口浩死去。51歳だった。29日、北朝鮮工作員により大韓航空機が爆破される。

【連載】プレイバック芸能スキャンダル史

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  4. 4

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  5. 5

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  1. 6

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  2. 7

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  3. 8

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  4. 9

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”