天台宗の性加害問題…宗派から「罷免」の懲戒処分受けた元住職の呆れた言い分
天台宗の四国にある寺の住職が尼僧に対して14年間も性暴力を繰り返してきたとされる問題をめぐって、宗派から「罷免」の懲戒処分とされた当事者が21日、大阪市内で会見した。被害者との性的関係は認めつつも、強姦や暴力については「事実無根」として、被害者側の主張を全否定。集まった報道陣も呆れ気味だった。
この問題では、被害者である尼僧の叡敦さん(50代)が天台宗に対して、住職(当時)と滋賀県内の寺の大僧正2人について僧籍剥奪を申し立てた。大僧正は叡敦さんに住職を紹介したり、被害発生後に叡敦さんから相談されて揉み消そうとしたとされる。
先月16日、天台宗は問題住職を「罷免」(僧籍は維持)、大僧正を「処分なし」とする審判が確定したと発表。判断の理由などは公表されていないが、「元住職」となった当事者は京都新聞の取材に「(性暴力ではなく)互いにひかれあっていた」「性加害は確認できなかったと正しく判断していただいた」と語った。処分の理由は性加害ではなく、僧侶でありながら「不倫」をしたからというわけだ。
会見には元住職とその代理人の田渕学弁護士、大僧正の代理人である森美穂弁護士の3人が出席。質疑も含めて2時間にも及んだが、元住職はほとんど発言せず弁護士に任せっきり。「叡敦さんから無心され毎月支払っていた生活費援助の総額が多額で、寺が困窮した」などと主張したが、証拠類の提示はなかった。