「マツコ」の二の舞が気がかりな良番組「解禁!暴露ナイト」

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 テレビ東京「解禁!暴露ナイト」(木曜夜11時58分)が始まったのは昨年の秋だ。うたい文句は、「職業の裏側、大事件の裏側、ニッポンの裏側、芸能界の裏側などさまざまな世界の裏側を知り尽くした人物が大暴露!」。深夜ならではのゲリラ番組として、堂々の2年目に突入している。

 先週も話題は多岐にわたった。冒頭は厚労省の村木厚子さんが逮捕された「大阪地検特捜部・証拠でっち上げ事件」だ。取材を続けてきたジャーナリストが実名で登場し、「逮捕できるよう事実関係を合わせていく」という検察のハウツーを暴露していた。

 次に現役の競馬エージェントが騎手や馬主の表に出ない話を開陳。騎手には酒好きが多く、「その日の第1レース前に検問したら全部アウト」などと大胆に発言していた。さらに弁護士が解説する悪質NPOや偽装質屋の手口にも驚かされた。

 番組を見ていると、初回の放送だけで打ち切りとなった、「マツコの日本ボカシ話」(TBS)を思い出す。当事者を登場させようという狙いは悪くなかったが、表現や演出手法でつまずいた。同じ轍(てつ)を踏まないよう、ぜひ気をつけて欲しい。

 また、それ以上に気になるのが特定秘密保護法案だ。成立したら、この手の暴露番組も、何がどう抵触したのか分からないまま潰されるだろう。やはり悪法と言わざるを得ない。
(上智大教授・碓井広義=メディア論)

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