イヤイヤ上京、社長愛人と同居…前川清の破茶滅茶デビュー

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 そんなことで上京した僕らですから、レコーディングに対してもハナからケンカ腰。ディレクターっていうのがすごく厳しいやつらしいから、アタマにきたら殴って長崎に帰ろう、なんて話していました。お昼近くに東京駅で寝台特急を降りたその足で、築地のビクタースタジオに乗り込みました。一張羅の衣装に身を包んで……もうほとんどヤクザの出入りかという覚悟ですよ、ハハハ。デビューシングル「長崎は今日も雨だった」のジャケットで着ている青と黒のタキシードがそう。あれは「銀馬車」時代の着たきりの衣装で、エナメルの靴なんかは底がすり減っても買い直すお金もないから何度も何度も修理して履いていました。

■小林君が焼いたホットケーキは人生最悪の味で…

 東京での生活はメンバー6人と身の回りの世話をするという女性1人の共同生活で。恵比寿にたぶん今も残っている大信ビルに、キャバレーの会社のほうで部屋を借りてくれました。2つある部屋のうち、大きい方をその女性がひとりでダブルベッドを入れて、もうひとつの小さい方に僕ら6人が雑魚寝。ただ、その女性っていうのが何にもしてくれない。あとで気づいたんですが社長の愛人だったんですよ、ハハ。まぁ、今にして思うと、男女間のイザコザとかにならなかったのは幸運でした。

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