イヤイヤ上京、社長愛人と同居…前川清の破茶滅茶デビュー
デビューしたといってもまったく売れず、日々の食い物にも困るありさま。ある時、小林君がホットケーキを焼いてくれたんだけど、何だかツブツブが入っててすごく臭い。何を思ったか小麦粉に、草花の肥料にする鳥のフンを入れたんです。
あれはホントにマズかった。わが人生で最悪の味でしたよね。
そんな極貧生活が3~4カ月は続きました。見るに見かねた同じマンションの奥さまが、近所の喫茶店で食事をごちそうしてくださったこともありました。あれはありがたかったです。そういえば、その奥さまに藤岡弘さんもお世話になっていて、たしか一度、紹介されたことがありました。彼もまだ新人で食い詰めていたみたいで。
知り合いのツテでひょんなことから渡辺プロ預かりに。その翌日からいきなりテレビ出演して「長崎は――」が大ヒット。さすがに“鳥フン”からは脱却しましたが、しばらくは収入もさほど増えなくて。恵比寿での共同生活は結局、1年くらいは続いたんじゃないですかねぇ。
■先輩方に可愛がられて45年