島倉千代子の遺作CD バカ売れさせた「フジの追悼番組」
今年11月に肝臓がんで他界した島倉千代子(享年75)の遺作「からたちの小径」(18日発売)が売れまくり、音楽業界に衝撃が走っている。
「今どき演歌歌手の新曲がトップ10にランクインするのはほんのひと握り。氷川きよし、水森かおり、AKB48のメンバーでもある岩佐美咲ぐらいだから、異例の大ヒットです」(音楽関係者)
南こうせつプロデュースによる歌手生活60周年記念曲。葬儀・告別式で流れたことで大きな反響を呼び、急きょCD化された作品である。初回出荷枚数は演歌では異例の5万枚。それもこれも売れるのを見越してのことだが、最新のオリコン週間シングルランキング(30日付)で総合7位に初登場し、演歌・歌謡部門で首位を獲得。故人の代名詞である「人生いろいろ」でさえ、最高位が総合で16位、演歌・歌謡で2位どまりだったから、「予想以上の売れ行き」(別の音楽関係者)なのである。
そんなCDの売り上げにドライブをかけたともっぱらなのが、先週20日放送の金曜プレステージ「島倉千代子最期の223日」(フジテレビ系)。他局でも追悼番組は放送しているが、自宅でレコーディングする再現VTRを用意するなど2時間の特番は島倉ファンの心をつかんだ。視聴率(8.6%、ビデオリサーチ調べ=関東地区)こそ、映画「おおかみこどもの雨と雪」を放送した日本テレビや中居正広の金スマSPをぶち込んだTBSに及ばなかったが、CDのデーリーの売り上げは加速した。フジにとっては物足りない結果も日本コロムビアはウハウハだったようで……。
オリコンに問い合わせたところ、放送前日の2280枚からV字回復を果たし、21日の売り上げ枚数は3491枚。ランキングも総合5位から2位に浮上した。NHK紅白歌合戦でも、島倉コーナーが設けられるのは間違いない。さらにCDの売り上げに拍車がかかりそうだ。