故・坂本九さんの長女 40代で「1stアルバム」の紆余曲折

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「舞台や映画の役柄になりきるんじゃなく、自分なりの考えを伝えたいと考えるようになりましてね。でも、その表現方法が歌だった場合、父と必ず比べられる。それが重圧になって20代の半ばに一時、芸能活動を休止したんです」

「花子とアン」で一躍有名になった東洋英和女学院大人間科学部で女性学を学んだ大島さんは、塾の講師になった。ちなみに、九ちゃんも東洋英和の校風が好きだったそうだ。

「首都圏で中学受験の実績を誇る塾で国語を教えました。1コマ45分、子供たちを授業に集中させて教えるのはとっても大変だったけど、これはライブのいい練習になりましたね。あと、派遣の仕事もやって、貴重な休み時間に『笑っていいとも!』を見たり、通勤電車の中で音楽を聴いたりした。こうして芸能生活をやっていてはとても味わえない日常を体験し、それまでのライフスタイルとは異なる生活をした結果、やっぱり自分は伝える側にいて、自分を表現したいとより思うようになったんです」

 加えて、九ちゃんが亡くなり、妹の舞坂ゆき子が高校を中退して宝塚音楽学校に入学すると、必然的に母親の柏木由紀子との2人暮らしに。しかし、20代になってから、母の存在が何となくうっとうしく感じられ、28歳の時に家を出て独立したことも、自己表現の意欲を高めた。

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