愛川欽也さんはレアケースだが…“病気取材”メディアの課題

公開日: 更新日:

 今の芸能界を見渡すと、「歌手でタレント」といったいくつかの肩書を持つ通称「マルチタレント」がいる。しかし、「歌手としてヒットもなく仕事も減ったことからタレントも」と実質、クラ替えしたような人も少なくない。

 亡くなった愛川欽也さん(享年80)は役者、司会、DJなど、すべてを完璧にこなせるプロだった。まさに「マルチタレント」の見本のような人。その姿は昔かたぎの職人にも似ていた。人に知らせず自宅で家族に見守られながら息を引き取ったのも昔かたぎの愛川さんらしいとも思う。

 当初、妻のうつみ宮土理は「風邪をひいただけ」と重病説を否定して「嘘」をついたのも愛川さんの生き方を最後まで守り通した夫婦の絆。誰も責めることはできない。

 愛川さんと同年代で昭和を代表する俳優だった高倉健さんも菅原文太さんも亡くなるまで病気を隠し、密かに入院生活を送っていた。映画関係者は、「本業以外で騒がれるのを“よし”としない昭和の映画スターらしい」という。

 2人とも役者の仕事だけで晩年は仕事をセーブしていたため、顔を見なくとも不思議はなかったが、仕事人間だった愛川さんは唐突なレギュラー番組の降板など不自然さが残り、報道陣を集めることになってしまった。「介護ベッドが運ばれた」などと報道も加速。重篤説が流れたレアケースだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末