映画「女が眠る時」で西島秀俊と忽那汐里が見せた新境地

公開日: 更新日:

 もうひとりがビートたけしの相手役の忽那汐里だ。芸歴はすでに長いが、本作ではビートたけしを翻弄する役を、こちらも静かだが、体の奥に火がついたような切迫感をにじませながら演じてみせた。彼女もまた、西島とは違った種類の闇を、男によって植え付けられていたのだ。2人の闇は人間誰しもが抱えているものかもしれないが、リアルに映画から迫ってくる。

 本作は香港出身のウェイン・ワンが監督した。日本人監督とは一味違った演出手法が、俳優の新境地を引き出すのだろうか。そのあたりも見てもらいたい作品である。

(映画ジャーナリスト)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド