落語ファン森末慎二氏が語る桂枝雀師匠との出会いと別れ

公開日: 更新日:

 番組本番では、僕はロス五輪の時に選手だけがもらえる参加賞のメダルを差し上げ、無事に話もでき、ホッとひと安心。ところが、ロス五輪の映像が流れた途端に号泣……。しゃべれなくなってしまいました。師匠は「そんなにワタシの落語は悲しいですか」なんてボケていらっしゃいましたが(笑い)。

 その後、知り合いの落語家・金原亭世之介に勧められ、師匠のテープで勉強させていただき、ボク自身が高座に上がったりもしました。講演をする時のしゃべりにもすごく役立ちましたね。

 一度、僕が「親子酒」をやっているのをビデオに撮って師匠に送ったことがあります。そうしたら「一言、言いたいことがある」と。それなら稽古をつけてもらおうかとアポイントもないまま、住所を頼りに世之介と2人で新幹線に乗って、大阪にある師匠の家を訪ねました。

 でも、師匠は人と会うような状態じゃなかったんですね。家にいるのは階段を上がったりするのが見えてわかったんですが、電話を入れても取られない。2月の寒い時季、世之介と2人でボーッと4時間、家の前で待ったんですけど、あきらめて帰りました。

 それから2週間ぐらいしてからです、師匠の自殺未遂のニュースを聞いたのは。後に奥さまから「師匠が僕の送ったビデオテープをよく見てましたよ」と聞いてうれしかったですが、結局、僕に何を言いたかったのか聞けずじまいでした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」