野球評論家・川藤幸三さん語る 「19年現役は酒のおかげ」

公開日: 更新日:

 高校出たばっかの小僧にしてみたら、衝撃的ですわね。ほんでも、それはプロで飯食うことの本質でもあるんや。そんな諸先輩方の中でも、ワシにとって特別の存在が遠井吾郎さんやった。酒でも野球でも、ワシの大師匠やね。

 ワシより10歳上で60年代半ばから70年代初頭までタイガースの4番。「仏のゴローちゃん」てゆわれるぐらい温厚ながら、他を寄せつけんくらいの酒豪でね。口は上手やなくて、酒は淡々と飲むタイプ。そんなところが似とったせいか、「飲みに行くぞ」ゆうて、ようけ可愛がってもろうた。

 行けば必ず、ハシゴで朝までコース。朝日が昇るころに「そろそろ帰りませんか」「そうやな、あと5分だけ」……。こうゆうてそれから1時間や。夜遊びするんは女目的の人が多いんやけど、遠井さんは酒だけやった。

■「憂さ晴らしなら飲むな」の教え

 朝まで飲んでも、その日に試合って時は球場に早う来て、減量中のボクサーが着るカッパみたいなコート着て、黙々と外野のフェンス沿いを走る。汗をガッとかいてアルコールを抜くっちゅうワケや。自他ともに認める鈍足で、普段は走るのが大嫌いやのに、真夏のカンカン照りの日でも走っとった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に