みうらじゅんが語る いとうせいこうとの“不思議な関係”

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■カミングアウトを覚悟したことも

「見仏記」は最初は編集者と3人で取材してたのですが、途中から「僕らに任せてくれませんか」とお願いして2人で行くようになったんですが、精神的な関係が深くなるにはもってこいでした。ただ、今から25年ほど前で僕は30代半ば、いとうさんは30歳ぐらい。しかもその頃の僕は髪を真っ赤に染め、お風呂に入る時はヘアバンドで留めなきゃならないくらいのロングヘア。予約なしの“飛び込み”で旅館に同室で泊まると、女将や仲居さんが戸惑ってるのがわかるんですよ。

 女性2人連れの旅行は違和感はないんでしょうけど、男同士ってのはねぇ。あらぬ疑惑も無理からぬことです。もちろん僕らにそんな気持ちはまったくありません。でも、ある時お風呂から部屋に戻ったら布団が“重ね敷き”(笑い)。仲居さんは粋な計らいのつもりだったのかもしれませんが、その晩は部屋の照明を消せませんでした。「もしかしたら、いとうさんからカミングアウトがあるかもしれない」って覚悟をしてましたから(笑い)。

■僕の中の「ボケ」を芽生えさせてくれた

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