立川談慶さんが語る落語と酒 「登場人物はみんな下戸」

公開日: 更新日:

 日本人は遺伝子とか分解酵素の問題で、欧米人に比べると下戸だそうです。それをお互いにわかり合い、酒に弱くても許せる文化があるから、落語にもなるわけです。落語は共感ですから。

■談志師匠に「俺んチで吐いたらクビ」と言われて……

 私は弱かったですよ。今でこそ、ビールの後に日本酒を1合ほど飲めますが、サラリーマン時代は下戸も下戸。最初の赴任先が福岡なので鍛えられましたが、中ジョッキ半分を超すぐらいで限界でしたからしれてます。そしていざ入門しましたら、立川流の場合、見習いと前座は師匠の前では禁酒禁煙なんです。目が届かないところで飲むのは問題ないのですが、酔って師匠の前に出るなんてのはご法度でした。

 ところが、たまに師匠の機嫌がいいと「おまえも飲むか」とくる。まだ前座の頃でしたねえ。大好きなミュージカルをテレビでご覧になって上機嫌、「珍しいもの飲ませてやる」と言い出しまして、冷凍庫から出してきたのがアルコール度数96度のウオツカ「スピリタス」。飲んだ途端、口の中が火がついたみたいに熱くなる蒸留酒です。これをお猪口でクイッと飲み、すかさずチェイサーの氷水を飲んで冷やす。口と喉に灼熱と極寒が交互にやってくる、乱暴な飲み方です。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」