会社設立の元NHKアナ松本和也さん 転機は福島での被災
「被災地では依然、死と隣り合わせの状況なのに、翌週は大分県でいつも通りに『のど自慢』を放送すると。業務ですから仕方ないのですが、今までのように明るく進行していける気がせず、本番を迎えるのがつらく思うようになりました」
阪神淡路大震災で感じた、報道の仕事に向いていないという違和感。それが増幅されてフラッシュバックした。
「私情を挟むのはプロではないのでしょう。でも、僕にはそれが耐えられなくて。この仕事をするには、悪い意味でナイーブすぎたのだと思います。完全に心のバランスが崩れてしまい、その年の6月で『のど自慢』を降板。現場から離れることになりました」
港区にあるNHK放送文化研究所に転属。5年後に退職の道を選んだ。
「まだ順調とは言い難いですが、高校時代の仲間や知人の紹介で仕事は増えつつあります。いつでも仕事は大歓迎。詳細は弊社HPをどうぞ」
高校3年の長女、大学3年の長男と妻、実父の5人暮らしだ。