中国でW主演映画メガヒット 福山雅治が“高倉健”になる日
福山雅治(49)とチャン・ハンユー(53)の日中スターがダブル主演した映画「マンハント」(公開中)の評判が上々だ。上映されたベネチア国際映画祭では「久々のジョン・ウー監督らしい娯楽作」と海外メディアが絶賛。中国でも大ヒットとなっている。
西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ」を「M:I―2」「レッドクリフ」シリーズなどで知られるヒットメーカー、ジョン・ウー監督が実写化。オール日本ロケで描かれる壮絶な追跡アクションで、福山は何者かに殺人事件の濡れ衣を着せられる弁護士(チャン・ハンユー)を執拗に追う敏腕刑事を演じている。映画批評家の前田有一氏はこういう。
「近年では『三度目の殺人』など本格的な映画俳優としての活躍が目立ちますが、本作でもターミネーターのような底知れぬ迫力を感じさせる“追跡者”の役作りがハマっています。ジョン・ウー監督の現場は当日まで予定がコロコロ変わり、台本はあってなかったようなモノだったそうですが、そんな難しい環境にも果敢に挑み、日本俳優としての存在感を示したといえるでしょう」
原作はかつて76年に佐藤純弥監督が「君よ憤怒の河を渉れ」のタイトルで映画化。中国では文革後初めて公開された外国映画として、歴史的な大ヒットとなった。当時の中国の人口は約9億人だが、延べ8億人が見たというから凄まじい。主演の高倉健は国民的大スターとなり、世界的巨匠のチャン・イーモウはじめ、映画関係者の間にも多くの信奉者を生み出した。