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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

土砂投入もまだ阻止できる 辺野古移設は死守してほしい

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 でも、島に行けたなら、沖縄の若者たちと連帯し、泡盛という飲んだこともない酒を飲み、「安保の延長反対」でも「日本へ返還反対」でも「反米」でも名目は何でもいいから「造反有理」の下、思いっきり権力と闘ってみたかった。「過激派」なんて集団とは無縁に、左側だろうと右側だろうと考えは一つ“沖縄人の心にコミットして共闘する”というのが、当時のラジカルな若者の気分だったのも確かだ。

 オレは高校3年の1学期から受験だけの学業なんぞには興味もなくなっていて、学校に行かなくなっていたし、どこに本当の自分の居場所があるのか探しあぐねているところだった。何を意識して生きるべきか? 沖縄は本当に日本の国なのか? 沖縄が「琉球王国」だった1609年、薩摩の島津藩の軍勢に侵略され、独立国からどのように徳川の幕藩体制に組み込まれたのか? はたまた、同時に中国の明朝はそれまでの琉球の「冊封」(君と臣の)体制をどう持続させようとし、沖縄はその両属体制にどう臨んでいたか。沖縄人の心を勉強する日々だった。

 明治5年から、日本政府が「琉球処分」という、沖縄をなぶり殺しにするような強制併合で、鹿児島県に組み込まれてしまった時の、沖縄の人々の思いはどうだったか? 問答無用に土砂を海に投入させたアベ政府のあの能面のような官房長官の野郎は、果たしてどこまでこの島の歴史を学習してきたんだ。今の若者たちよ、沖縄の基地に関心はないのか。

 あの頃、沖縄行きの船に便乗してたなら、オレらは「沖縄共和国よ、独立しろ!」と暴動の最中に叫んでいたかも。まだまだ阻止できる。辺野古は死守してほしい。

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