薬の飲み忘れが多かった70代男性…訪問看護師の提案で改善
在宅医療のサポート内容は、患者さんの病気の種類はもちろん、その進行度によっても異なります。具体的には、食事・排泄・移動といった基本的な「日常生活動作」(ADL)、バスや電車での外出、掃除や洗濯、料理、電話応対、さらには金銭管理や服薬管理といった「手段的日常生活動作」(IADL)がどれくらい保たれているかで支援の方法が大きく変わってくるのです。また、同居しているご家族がどこまで介護に関われるかによっても、サポートする内容が変わってきます。
訪問看護師の役割は、血圧や酸素飽和度の測定、点滴などの緊急時に必要な医療行為だけにとどまりません。たとえば、患者さんが薬をきちんと服用できているかを確認するために訪問する、といった日常生活を支えるケアも重要な役割です。
ある日、私たちが関わることになったのは、少しもの忘れの目立つ70代の男性の方でした。フレイル(虚弱)な状態で1人暮らしをしておられましたが、近くには娘さんが住んでおり、時々様子を見に来ていました。ただ、四六時中見守ることは難しく、私たちに服薬管理や日常の見守りについてご相談があったのです。