薬を飲み忘れた時の対応は「半減期」によって変わってくる
生体内に入った薬などの物質が、代謝や排泄などによって半分に減るまでに要する時間のことを「生物学的半減期」といいます。たとえばこの半減期が1時間の薬の場合、1時間たてば体内の薬物量は半分となり、2時間たてば、半分の半分なので体内の薬物量は25%と考えることができます。この調子で5時間も経過すれば、体内の薬物量は約3%となってしまいます。このため、半減期の4~5倍の時間が経過すると、その医薬品は体内からほぼ消失していると考えることも多くあります。
この考え方は、「母親が薬を服用した場合、何時間後に赤ちゃんへの授乳を可能とするのか?」をはじめ、医薬品の副作用の推定などにも活用することができます。医薬品の血中濃度が高い時に起こりやすい薬による眠気などの副作用は、その医薬品が体内から消失すれば症状もなくなるはずです。
しかし、腎機能に障害がある方や高齢者ら、医薬品の代謝・排泄が遅れてしまう場合には、副作用の症状も長時間持続することがあります。また、アレルギーなどのように血中濃度に依存しない副作用はこの限りではありません。