「乳がん」早期発見のために知っておくべき5つのポイント 遅れれば治療費も高額に
乳がんは、女性の部位別がん罹患数(2020年)で最も多く、死亡数(23年)でも4位と上位に入る。早期発見するには何を知っておくべきか? パートナーのことを考えると、女性だけの問題ではない。
■5年生存率「限局」は99%「遠隔転移」は39%
乳がんは転移のない早期で発見されるほど予後がいい。国立がん研究センターによると、09年から11年にどこにも転移がない限局乳がんと診断された人(注1)の5年相対生存率は99.3%。これに対し、同時期に遠隔転移がある乳がんと診断された人では5年相対生存率は39.3%だった。
鹿児島県の相良病院院長・大野真司医師(認定NPO法人乳房健康研究会理事長)は「早期発見は、予後のためだけではない。“優しい治療”のためでもある」と話す。
「“優しい”というのは、身体、精神、金銭面すべてにおいてです。ステージ0で発見されれば、乳房温存(部分切除)の率が高く、脇のリンパ節を取る率が低く、抗がん剤を使わなくていい。術後の後遺症がなく、身体的・心理的負担が小さい上に治療費も200万円ほどの3割負担で済みます。一方、ステージ2bになると1000万円以上の治療費の3割負担。高額療養費制度(注2)の対象とはいえ、毎月、限度額いっぱいを払うことになります」(大野真司医師=以下同)