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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

常に「城田優」を励ますスペイン人母のケ・セラ・セラ精神

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「自分の目指していた世界にいる偉い人たちから、否定されてしまった」(同前)

 しかも、容姿という変えようもない部分で。それがショックだった。そんなときでも母は「そんな人たちの言うことなんて気にしなくていいのよ、あなたは」(同前)と励ましてくれた。

 そして16歳のとき、ようやく受かったのがミュージカル「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面役。03年から出演した舞台では、自分がコンプレックスに思っていた容姿が全部プラスになった。遠くからでもわかる端正な顔立ち、舞台映えする長身。「ミュージカルという舞台では自信を持てる、自分は輝ける存在なんだ」(ネットネイティブ「モデルプレス」18年10月24日)と。

 この舞台がきっかけで、さまざまなミュージカルに呼ばれるようになった。「優、舞台っていうのはやればやるほどどんどん怖くなるんだぞ」と、最初の舞台の殺陣師が語ってくれた言葉を次第に実感していった。

「自分が成長していく、成長していくほど求められるものが上がっていって、アベレージが高くなっていって失敗できないという気持ちに変わっていく。それでどんどん舞台に立つことが怖くなった」(同前)

 そんなときも、母は「大丈夫よ、あなたいつもそうしてきてるじゃない」と、「ケ・セラ・セラ」の精神で励まし「ブラボー!」と肯定してくれるのだ。

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