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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

若者から熱狂的支持を集めた石橋貴明の“ケンカであいさつ”

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「この業界、ケンカとあいさつは先にした方がいいね」(石橋貴明フジテレビ「石橋貴明のたいむとんねる」8月19日放送)

 店などで面識がほとんどない同業者が偶然いた場合、あいさつのタイミングが難しいという話になった際、とんねるずの石橋貴明(57)が冗談交じりに言ったのが今週の言葉だ。伊集院光が「ケンカはどうかな、ケンカはどうかな?」と静かにツッコむと「手出しちゃった方が!」とさらに続けて笑わせた。

 しかし、この発言、石橋に限ってはあながち冗談とは言い切れない。なぜなら、とんねるずは、デビュー直後からこの業界に“ケンカ”を売ることで“あいさつ”していったからだ。

 高校時代、石橋がテレビに出演したのも当時、素人参加番組で名をはせていた竹中直人と“タイマン”したいと思ったからだ。その時の気持ちを石橋は自著でこう振り返っている。

「この人と勝負してみたいと思ったんだな。生意気なんだけど、おれは自分のこと、日本で一番おもしろいシロートだと思い込んでたからさ」(ニッポン放送出版=石橋貴明・木梨憲武著「とんねるず 大志―だれだって成功者(KANE―MOCHI)になれるんだ」1988年6月1日発売)

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