坂東彦三郎さんは芝居をしながら地球3周 絶対行きたい国は
■歌舞伎を好きになったのは2年前の襲名から
400年続く歌舞伎界で坂東彦三郎家の血筋に生まれて歌舞伎役者の道に進みましたけど、学校を出て歌舞伎一本になるとさらに厳しかった。先輩方に厳しく指導していただくことも多く、悔しくて「いつか見てろ」という気持ちが生まれました。父からは「コツコツ頑張れば、いずれ結果が出る。当たり前のことを当たり前にやりなさい」と教わり、その言葉を半信半疑ながら信じて務めてきました。
歌舞伎を本当に好きになったのは2年前の彦三郎襲名がきっかけですね。襲名の時40歳。いつ襲名させていただけるのかなと思っていたところ、ある日、父から「家族集まって」と言われ、食事に行ったら軽いノリで「彦三郎を名乗る?」って(笑い)。コツコツやってきたのは間違いじゃなかったと肩の力が抜けました。やっとスタートラインに立てた、もっと頑張れるという気持ちになれました。
坂東家は脇の家系なのに、襲名披露興行ではお客さまの視線を一身に集め、一挙手一投足を見られている恐怖感と快感を味わいました。その時、よい演技をしても見てもらえなければ意味がないという自覚が生まれました。