コロナとテレビ<上>コロナ禍で激変するTV業界の悲惨な未来

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 現場ディレクターの1人が私にこう言う。

「私もコロナ被害を刻々とチェックしていますが、こんな時期にエンタメや笑いをつくっていることも複雑です。個人的には局の映像ライブラリーにある世界の美しい景色でも名曲と画面に流していた方がよいのではと思うのですが。まあ、そうすると何だか世の中がわびしくなるし、これも難しいんでしょうかね」

 確かに、私もリモート勤務をしながらテレビをつけていると、情報番組やバラエティーや歌番組から聞こえる明るい声に何か憂さが晴れるような気もするのだが。(つづく)

▽吉川圭三(よしかわ・けいぞう)1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサーを務める。近著に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)がある。

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