著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

講談を世に広めた“ヒゲの一鶴”こと田辺一鶴の斬新さ

公開日: 更新日:

 長い口ひげがトレードマークで「ヒゲの一鶴」として親しまれた、講談師の田辺一鶴。昭和39(1964)年に講談「東京オリンピック」で評判になり、それまでとは異なる斬新さ、派手なパフォーマンスで時の人だった。

「一鶴先生はもともと吃音を直すために、12代目田辺南鶴師匠に弟子入りした方です。講談は古典を講釈するわけですが、先生の場合、古典ではなく新作講談をやって受け、人気になった。先生が活躍したことで講談の存在が広く世の中に知られることになったわけで、その役割は大きかった」

 一鶴一門と松鯉師匠の神田一門は同じ門下ではないが、こんな秘話があった。

「実は私の師匠山陽(2代目神田山陽)が一鶴先生をすごく可愛がっていましてね。私は一鶴先生の家に何度も遊びに行きましたし、親戚のようでした。ある時期、一鶴先生は私のような若造をつかまえて何回も泣くんです。『こんなに一生懸命やってるのに仲間が認めてくれない、悔しい』って。あれは先生の本音でしたね。講談界の中には人気者になった一鶴先生を面白くないと思う者がいたんでしょうな」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動