日本一切符がとれない講談師 6代目神田伯山の人気を紐解く
令和の伝統芸能の人気の中心は間違いなく講談だ。牽引しているのは今年2月、6代目を襲名した神田伯山(松之丞)の存在。講談人気の秘密や中高年が気楽に講談を楽しむ方法について伯山の師匠、3代目神田松鯉さんに語ってもらおう。聴くのは初めてという人にもわかりやすい講談の講座を――。
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神田伯山はテレビのレギュラー番組を持ち、寄席のチケットは即完売という人気になっている。講談人気、ブームはいつからなのか。
「3、4年前からあの子(師匠は神田伯山をこう呼ぶ)の切符が売り切れちゃうことが寄席の関係者や仲間内で評判になっていましてね。それを新聞が『日本で一番切符のとれない講談師』と取り上げてくれたんです。それがいろんなところに広がって火がついた。ありがたいことです」
伯山が真打ちになったのは今年2月。真打ち昇進とともに6代目伯山を襲名した。36歳の若さで大名跡を襲名するのは異例のこと。伯山の魅力についてこう語る。
「まだ二つ目のころからすごい人気で、私も驚きました。ある日、私も一緒に出た小学校でやった高座でのこと。あの子は受けを狙った講談のように思っている方もいるでしょうが、やっているのは古典です。古典の連続ものを夢中でやっています。でも、小学生を相手に古典をやってドーンと受けたんです。つかみがうまいんでしょうね。あの子のような講談師を見たことはなかったですね。天性なのか、あの子が人知れず努力をしているのかわかりませんが、自分の弟子ながら感心してしまいました」