ジャニーズの女帝メリー喜多川氏の剛腕 忖度生んだ天の声
(ジャーナリスト・二田一比古)
近藤真彦の不倫報道で改めて露呈したのがジャニーズ事務所に対するテレビ・スポーツ紙の忖度だった。松本人志も自身の番組で「(他のタレントと)平等に扱うべき」と苦言。ジャニーズに忖度する姿勢を暗に非難した。
「事務所が正式な見解を出すまでは触れてはならない」といわれる暗黙のルールをメディア内に構築してきたのがメリー喜多川氏(現名誉会長・94=写真)である。故ジャニー喜多川社長の実姉で副社長として手腕を振るってきたメリー氏はマネジメントだけでなく、メディア戦略まで担ってきた。
メリー氏と直接対峙したのはフォーリーブスのメンバーの女性問題をテレビ局の裏口で直撃した時だった。タレントの前に立ちはだかり「失礼ね」と一喝された。この女性こそが後に「女帝」と呼ばれたメリー氏だった。
事務所・スタッフの拡大とともにメリー氏は現場を離れ、事務所内から広報を通じて発信するだけになり二度と会うことはなかったが、「大本営発表」と呼ばれた天の声はよく聞かされた。大半の取材に対して「メリーさんはこう言っています」と伝えてくるだけ。