輝きはなくても 違和感の光を放つ宮下草薙は「トルコ石」
さらに初めて手を出してしまった番組もやはり「チャンスの時間」。宮下が挑戦に失敗すると、草薙が金髪にされてしまうという企画で宮下が何もできず失敗。それを「スタッフのせい」だと言い始めた宮下に、草薙が激高。膝蹴りを食らわすと、宮下もボディーブローで応戦した。
宮下は「僕としては、草薙の極限が面白いと思ってる。なのであおってしまう。いつの間にか草薙がキレてる。先に手を出すのは草薙で、僕が手を出すのは正当防衛」(「爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!」21年1月17日)と主張する。
“窮鼠猫を噛む”を地で行く草薙と「僕はガチじゃない」と冷静さを装いながら、感情があふれ出てしまっている宮下という構図が、あまりにも独特で魅力的だ。
草薙は「お笑い第7世代」の面々を霜降り明星はダイヤモンド、四千頭身はサファイア、EXITはルビーと誕生石に例え、自分たちは「トルコ石」だと分析している(「同」20年7月17日)。
トルコ石は他の誕生石のようにキラキラはしていないが、独特な印象を残す青い光沢を放つ。それは、まさに宮下草薙の芸風を表すのにぴったりだ。加賀まりこが「りりしくなったら、もうアンタは死ぬよ」(テレビ朝日「かりそめ天国」20年8月28日)と評していたが、草薙は大きな声を出せるようになってきても、独特な存在なまま“違和感”の光を放ち続けている。