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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

輝きはなくても 違和感の光を放つ宮下草薙は「トルコ石」

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 さらに初めて手を出してしまった番組もやはり「チャンスの時間」。宮下が挑戦に失敗すると、草薙が金髪にされてしまうという企画で宮下が何もできず失敗。それを「スタッフのせい」だと言い始めた宮下に、草薙が激高。膝蹴りを食らわすと、宮下もボディーブローで応戦した。

 宮下は「僕としては、草薙の極限が面白いと思ってる。なのであおってしまう。いつの間にか草薙がキレてる。先に手を出すのは草薙で、僕が手を出すのは正当防衛」(「爆笑問題霜降り明星のシンパイ賞!!」21年1月17日)と主張する。

“窮鼠猫を噛む”を地で行く草薙と「僕はガチじゃない」と冷静さを装いながら、感情があふれ出てしまっている宮下という構図が、あまりにも独特で魅力的だ。

 草薙は「お笑い第7世代」の面々を霜降り明星はダイヤモンド、四千頭身はサファイア、EXITはルビーと誕生石に例え、自分たちは「トルコ石」だと分析している(「同」20年7月17日)。

 トルコ石は他の誕生石のようにキラキラはしていないが、独特な印象を残す青い光沢を放つ。それは、まさに宮下草薙の芸風を表すのにぴったりだ。加賀まりこが「りりしくなったら、もうアンタは死ぬよ」(テレビ朝日「かりそめ天国」20年8月28日)と評していたが、草薙は大きな声を出せるようになってきても、独特な存在なまま“違和感”の光を放ち続けている。

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