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斎藤貴男ジャーナリスト

1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

元検証委員のひとりとして叫ぶ「BPOは存続の危機だ」

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 ケアといってもLINEや電話、自宅訪問程度。そもそもチーフプロデューサーに自傷行為の事実が報告されたのは3日も経ってからだというのだから論外だ。精神科の受診も提案したともいうが、なにしろ昨年春のこと、新型コロナの感染拡大で見送られたとか。ならばしっかり診てもらい、異常なしの太鼓判が押されてからの放送を、という選択肢は、ハナから度外視されているようだ。

 人間ひとりを死に追いやることもできてしまうテレビとSNSの連動は、恐ろしいパワーを秘めている。視聴者をスポンサーの意のままに操ることさえも。局にとっては大変な打ち出の小槌だ。

 それゆえか否か、人権委は当該番組に「放送倫理上の問題はある」と指摘はしても、「勧告」を避け、軽い「見解」扱いとした。本来はこの観点での意見書をまとめるべきBPO放送倫理検証委員会は、「テラハ」問題をいまだに放置したままでいる。

 このままでは同様の悲劇が繰り返されかねない。私は元検証委員のひとりとして叫ぶ。BPOの存在意義が問われている。

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