著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<15>予定日より2カ月も早く出産…男児は呼吸困難に陥り重篤な状態に

公開日: 更新日:

 12月22日、夕方。高田馬場のスナックに出勤しようとしていた飯野矢住代を陣痛が襲った。予定日は2月26日。2カ月も早く産気付いたのである。同棲相手のジョニーに連れられ、広尾の日本赤十字社中央病院(現・日本赤十字社医療センター)に駆け込んだ。

 円山町に住む矢住代の母、辰子のもとに、ジョニーから連絡が入ったのは午後5時40分。驚いた辰子は、たまさか一緒にいた「週刊平凡」の記者と日赤中央病院に向かった。

《ときおりスチームが音をたてる、人けのない待合室に、ひとりジョニィがいた。長椅子にかけたままうずくまり、なにか祈っている。

 7時15分、「飯野さん、おめでとうございます。男の赤ちゃんです。母子ともに健全です」…看護婦の声だ。抱きあうように喜びあう辰子さんとジョニィ》(「週刊平凡」1970年1月15日号)

 ナースが分娩室から赤ん坊を抱いて出てきた。2150グラムの小さい赤ん坊を見て「ホラ、泣いてるよ。おサルさんみたいだ。しつけは、おっかさんに任せるよ」と言うジョニー。「わたしゃダメだ。あの子(矢住代)で失敗したんだよ」と返す辰子。そのやりとりを、同行していた記者は耳にしている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議