著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<10>「私にはジョニーが必要なの。ジョニーにも私が必要だと思うの」

公開日: 更新日:

 ジョニー吉長。本名・吉長信喜。1949年、福岡県小倉市(現・北九州市小倉北区)にドイツ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれる。父親が朝鮮戦争で戦死し母子家庭となるが、13歳のとき母親が出奔。天涯孤独となる。後年、ミュージシャンとして大成し、“日本のジャニス”と呼ばれる女性歌手と結婚。俳優、ベーシストとして活躍する2人の息子をもうけるなど、比較的恵まれながら63年の生涯を閉じたジョニー吉長にとって、つらく、苦しい少年時代を過ごしたことだろう。

 15歳で養護施設を逃げ出すと、日雇い、バーテン、美容師修業と職を転々とし、16歳のときに流れ着いた神戸で、ブルースバンドのボーヤ(付き人)となる。ここから音楽の世界に足を踏み入れた。

 上京したのは68年、ジョー山中と出会いバンド「カニバルス」を結成しドラムスを担当する。世のバンドマンらしく貧しい生活を送るも、程なくしてミス・ユニバース日本代表の人気モデルの飯野矢住代と出会っている。「誰か私と焼き肉を食べに行かない?」という矢住代の呼び掛けに「俺、行きたいな」と応じたのがジョニー吉長だったことはすでに触れた。初対面の2人が互いの身の上を話したことは想像に難くない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方